シュロのハエ叩きの試作

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 今週頭に刈り取ったシュロの葉。日本では九州南部では在来種だったが、それ以外の地域の山野で見られるものは、かつてブラシやタワシやほうきや籠や鐘突き棒(撞木)の材料を得るため、あるいは観賞用として移入されそれらが野生化したもので、最近の平均気温の上昇により生息域と数が増えている。経済的な価値を見出しにくい山野の手入れがされないことがさらにシュロの繁茂を後押しし、あちこちの山林で在来種から陽光を奪って圧倒しているのが問題となっている。また土壌があれば、どこでも生えてくるため、街中の公園や庭などでも生えてくる可能性がある。
 かなざわ森沢山の会の作業域では元々この土地に最も適している常緑樹やクヌギやコナラなどの薪炭林や梅を始めとする果樹、そして戦後ブームになって廃れてしまったスギやヒノキの人工林が混在しているが、そのどの区域でもシュロが増えているようで、林床の丈の低い在来植物の保護のため除伐の対象としている。圧倒された在来植物が絶えればそれを頼りにしていた生物が激減し、生物の多様性が失われる。特定の昆虫などの媒介によって受粉する植物にとっても脅威となる。外来種や移入種の爆発的な増加は鳥類や昆虫や雑草類やペット動物でも問題となっているのは周知の通りだが、このシュロも例外ではない。
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 何もせずに乾燥させておいた。そろそろ頃合いかと思い、加工してみることにした。
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 まず扱いやすいように葉先を切り落として扇型にした。それから葉を下まで割いていく。真ん中に筋が来るように割くと、割いた部分が筋を中心にして二つ折りになりながら乾燥する。この割く作業までは本来まだ生々しいうちにやる方がいいようだ。インターネットでは色々な情報があるが、葉は嵩張るし長いままにしておくと折れやすい。また要らない部分は山に置いてきて土に還すのがいい。
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 要の部分の飛び出した部分を削り、左右の下の方の葉は抜いて扇子状にした。その方が恐らく綺麗に仕上がるだろうという勘でそうした。
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 たこ糸をすだれを編むように、交互に割いた葉片に掛けて締めながら編む。案外、難しい。最初要に近い方から編むが、ゆるゆるになったので、解いて最初からやり直した。2段目はある程度コツをつかめたのでやり直しはしなかったが、できればもう少し先が窄まるようにきっちり目を締めて編みたい。
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 最初にできたものとしては上出来だ。うちで使うとしよう。乾燥すると飴色になり、もっと綺麗になる。
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 たこ糸を使ったが、でんでん太鼓の打ち子を結びつけている2〜3色の撚り糸を使うと、少し細めなのでより密に編めると思うし、見栄えも変わってくるだろう。
 私の祖父が存命の頃、すなわち今から30年以上前、祖父が器用になんでも作っていた。魚の調理が得意で、魚の行商が干物にできそうなものを持ってくるとたくさん買ってよく干していた。ハエが寄ってきて家の中まで入ってくるから、庭のシュロの葉で作ったハエたたきを使っていた。ハエばかりではなく蚊なども風を起こさないので確実に仕留められる。ゴキブリや毒虫なども過度に潰さずに成敗できる優れものだ。クモやハチなどの益虫の場合はこれで優しく外に押し出していた。これと同じような大きさのプラスチックのものしか使ったことがない人もおそらく多いだろう。
 また布団や敷物を干した後に花粉や砂塵を叩くのにはこれくらいのものが適している。硬いものでバンバン叩くのは線維が千切れて綿や羽毛などの嵩がなくなってしまう。
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by hills_mountains | 2017-02-24 15:43 | 山林作業ボランティア | Comments(0)

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