「上下楽園」2009年 田中峰彦 with ラズリズ "Joge-rakuen" Minehiko Tanaka with lazulis
2010年 11月 14日
薬師如来は成仏を求めて修行している時に十二の大願を発せられ、成仏したら衆生を病苦貧困飢餓や昏迷などの苦悩から解き放ち、皆が成仏できるように導くことを誓った。如来となられてからは、阿弥陀如来が教主である西方極楽浄土と向かい側、東方浄瑠璃世界の教主となられ、現世利益の信仰も集めている。その大願の一つに病苦を癒すとあるため、医薬の仏とされる。
「上下楽園」は、澄み切った深い海と高い空の色、瑠璃色に輝く国の荘厳さと、この世で安穏快楽に生きる願いに満ちた活力あふれる作品であると思う。
3: Dreamer、 4: ラピスラズリの囁き、6: 楽園の彼方に、8: 白壁の伝説、11: 群青界は、弓弾きのコントラバスの伸びやかな低音に後押しされた力強い曲。特に4ではシタールの共鳴弦のうねりが通奏の低音と絡まって非常に神秘的だ。2: 水平線、7: 東方世界への旅立ち、9: 空の模様、10: 胎動ではシタールとコントラバス(ピチカート)のスリリングな演奏を聴けます。即興性の高いタブラの演奏も楽しい。5: 上下左右では乱れ打ち(?!)が聴ける。中高音域の伸びやかさや広がりを作ることにすごく活躍してたのはヴァイオリンでしょうか。とくに9: 空の模様では上下左右に音の広がりを作りつつ、艶やかな演奏を聴かせてくれる。
前作のMineral Fantasyで使われていたギターとエレクトリックベースは使われていない。左はケースに挿し込まれている紙片の抜粋だが、小さな写真の中に実に様々な楽器が写っている。どの音がどの楽器から出ているのか分からない物もたくさんあるので少し勉強してみないと。
インド音楽の基礎とシタール、タブラ、タンブーラについてはシタール 田中峰彦で解説が読める。CDの購入もこちらから。前作アルバムMineral Fantasyのほうはサワリだけ試聴ができるようになっています。