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2つの鉈切神社、洲崎神社その2。東京湾フェリー利用、金谷〜洲崎(5月28日)

毎度お馴染み、東京湾フェリーの久里浜-金谷航路経由の南房サイクリング。午前中はここ最近屋内に蓄積してきた段ボールや雑誌やその他の古紙を回収場所に運び、最近手に入れたBiglobeのほぼスマホの設定やアプリの初期設定などを行ない、出発は昼を過ぎてしまった。1時間弱で久里浜までの25kmを走るのは南風が絶えず吹く夏日にはきつい。JR久里浜駅入口を経て、開国橋信号まで来たらフェリーは港をちょうど出て行くところだった。一便見送って、ペリー通り、久里浜港近くの田島家でねぎチャーシュー麺を注文。ゆっくり食事と思ったら、暑いから早食いで平らげて港に向かった。次の便がちょうど入港してきたところで、しばらく海風に当って身体を冷やす。
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今日は船内ではゼロ飲料だけ。この冬は週末に雪が降っているからほとんど遠出はしてなかったし、その後 花粉症の時期に入ってしまったので4月頭まで80kg近くあったが今は76kgになっています。さらに6kgほど減ると何をするにしても身軽で身体に掛かる負担は減るし、自転車への負担も減る。体重が減った分、荷物を増やしても良いということになる。


 前回は何度もパンクに見舞われ、道端で長い時間を失ったが、今回は非常に快調にR127号を進み、15時過ぎに金谷を発ってから23.5km走って館山の北条海岸には16時に着いている。非常に快調だった。しかし帰りの最終便は19時半。南房にいられるのは4時間20分くらい。17時過ぎには折り返して金谷に向かわねばならない。洲崎まで行って折り返すつもりで館山湾沿いに起伏のある道路を走る。伊豆ほどではないが宿泊施設やカヤックやダイビングのショップがある。
 見物という地名のところには非常に気が惹かれる船越鉈切神社
がある。何度も通過しているのに一度も寄ったことがなかったのでお参りすることに。コンクリートの路は、土を削り取り岩盤を平らにし階段を削り出して作った参道が人の往来や雨水の浸食で減っていくのを防止するためのものらしい。南房の石は風化しやすい。
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 社の後ろに御神体を収める祠を納めた大きな洞穴がある。洞穴が天然の本殿となっているようなのであるが、もともとはこの洞穴自体が信仰の対象であったことは間違いないだろう。
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 洞穴の写真は社と柵や扉などの配置の関係できれいに撮れないし、社の後ろの写真は撮るべきではないだろう。

千葉県指定史跡 昭和四十二年十二月二十二日指定

鉈切洞穴

 この洞穴は、房総半島の南端 館山湾に面した標高約25mの海岸段丘に位置する海蝕洞穴で、入口の高さは最高部4.19m、幅員は洞穴開口部で5.85m、開口部から最奥部までの距離は36.8mの大きさである。昭和三十一年の調査で縄文時代後期に属する土器を主体に、骨角剃・釣鉤・刺突具・牙製組合せ鈎・土錘等の原始漁撈具が多量の魚類遺存骨とともに発見された。縄文式文化期の遺物を出土する洞穴としては、本県を代表するものである。

また、この洞穴は古墳時代に一部が墓として利用され、その後は海神を祀る神社として地元漁民の信仰対象となり、現在は船越鉈切神社の本殿がおかれている。

                    昭和五十八年十二月一日

                      千葉県教育委員会

                       館山市教育委員会


 社の脇の崖に開く穴。これは天然の要因で開いた穴のようだだが、境内の崖には四角く刳り貫かれた穴「やぐら」があり、鎌倉武士の墓の様式だとされている。鎌倉の山中にも同様のやぐらが崖にびっしりと並んでいる場所がたくさんある。墳墓が置かれる場所と神が感じられるとして祀られる場所の条件が同じというのは感慨深い。
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海南刀切神社は船越鉈切神社のすぐ向かいである。「なた」の漢字は違うが同名の神社である。
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 こちらの社では素晴らしい彫刻が見られる。屋根は瓦葺きではないがどちらかというと寺にするような意匠を凝らしている。
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 海底の堆積物が岩となってそれが隆起して浸食され、やがて更なる隆起および海退によって完全に海から上がってしまった。大きな岩がバサッと割れたかのような隙間がある。岩の前に社があり中に御神体があるはずだが、もともとはこの岩を祀っていたのだろう。
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 切れ目のある大岩の続き。天然の海蝕と人工的な刳り貫きによって異容を見せる。ここにもやぐらが見られる。アワビの貝殻が置いてあるところもあり、海の神として祀られていることがよく分かる。
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 洲崎神社の前の浜。真ん中にある茶色い物体は御神石。御神石、浜の鳥居、大鳥居、本殿は一直線上には並んでいない。
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竜宮から洲崎大明神に奉納された2つの石の一つとされ、対岸の三浦半島にある安房口神社にもう片方が祀られている。安房口神社の石は口を開いていることから「阿形」を、洲崎神社のものは裂け目の様子から「吽形」とされ、両の石が狛犬のように東京湾の口に睨みをきかせていると言われる。この写真では石は丸か卵形に見えるかと思うが、けっこう長い。浦島太郎が助けた動物の一部に見えないこともない。
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 洲崎の磯。縞模様が美しい。天草がたくさん打ち上げられ風で吹き溜まっていた。
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 浜の鳥居のそばで見つけた花。もう日没を向かえようという頃で花は閉じて行く途中のようだ。ハナカタバミと思われる。
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 三つの神社でゆっくりとしていたので、洲崎発は17時40分。19時30分出港のフェリー最終便に乗るために35kmを力走する。半島の先から元の方へ向かうのは案外楽だ。追い風だとなおさらだ。起伏に富んでいるし、下坂は急ではないが、ゆるゆると長く続く。19時前に金谷港に着いたが、乗船作業は行われていなかった。停泊時の寸暇を船内の錆び除去作業にあてていた。外で20分ほど待ちぼうけである。すっかり体温が下がって船に乗る時には冷たい飲物を飲む気にもならず。売店は素通り。すぐに帰りの25kmに備えてリラックス。
 久里浜では車数台と自転車1台のみ車両甲板から下船。徒歩乗船はほとんどいなかったみたいだ。125kmほど走行。

by hills_mountains | 2014-05-28 23:59 | 自転車旅/輪行/ポタリング | Comments(0)

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