8月、入院の約1ヶ月前に、採血検査、肺活量等呼吸器検査、心電図検査、X線検査など色々と健康診断があり、入院予定日の4週間前には麻酔科医の問診と自己血採取のために来院。そんなに時間がかからなくてよかった。採血には自分の心臓の拍動による圧しか使わないため、採血にかかる時間は個人差がある。400ml献血では採血に10〜15分かかるとされているが、私は半分の所要時間で済んだ。これは現場の人間も驚いていて、周りにいる手の空いた人が集まってきた。
自己血採取は後々に自分の体に戻ってくる自分の血液(全血)を取ることで、骨髄採取の日まで冷蔵保存される。保存期間は31日間を超えてはならないようなので、採血の予定は手術日から1ヶ月以内に行われる。全血採血は一度に400mlであり、手術前までにあと200ml採血する。予定は約2週間後。この間隔もあまり短すぎると貧血気味になるのでよくないのだろう。(ちなみに全血献血の場合は4週間は次の献血ができないことになっているが、自己血貯血の場合は採血した量が全て自分に返ってくるが、献血の場合は献ずるだけだからだろう。
貧血防止のために術後に自分の体に返血される自己血貯血量は、ドナーや骨髄液の提供先(患者)の体重で変わってくる。自分の場合は患者が大きな人ではなかったため、骨髄液の採取予定量は850mlほどだったそうだ。それに対して600mlの貯血が計画された。実際は骨髄液の中の造血幹細胞の目標数が必要なのであり、それが満たされたら骨髄液の採取は終わる。自分の場合は、目標細胞数に達した時点で650mlの採取量だったため、自己血貯血量との差が少なく、術後の貧血の回復がかなり助けられることとなる。ちなみに、たとえ患者の方が大きな人であっても、自分の体重によって骨髄液の採取量の上限が定められており、ヘモグロビン量が13.5g/dlの規定値を超えていて体重70kgの私の場合は、20ml/kg×70=1,400mlが骨髄採取可能量の上限値であるが、自己血の準備量+400mlと比べて低い値の方を骨髄液の採取上限とする。患者が大きな人の場合は800mlの準備をすることになるだろうから、その場合は1200mlが上限となる。自分の場合は、600ml自己血を準備するので、手術中の細胞数の測定で、万が一骨髄液中の造血幹細胞の数が少なめであることがわかって予定採取量を増やすことがあっても1,000mlまでしか骨髄液を取れないことになる。
献血と同じで血液が抜ける血中の細胞だけでなく、水分やミネラル等の栄養分も抜ける。採血前にすでに脱水気味であるのはよくない。朝食はしっかり摂っておかねばならないし、病院に向かう道中や採血前、採血後もこまめに水分補給できるように、サーモスなどに季節に合わせた温度の飲料を入れて持参するかペットボトル飲料を用意してくるといいだろう。献血と違って飲料の提供などはない。400ml採血の日は持参するのを忘れたため、採血前にミネラルウォーターを買うことになった。献血と同じで採血後にホールで休憩してから帰宅する。ペットボトル一本では足りないと思い、ホールの一角に飲料水を紙コップで飲めるようにしてある水場で数杯水分補給した。 この日はエレベーターなどに乗りたくないため屋上階のレストランにも展望庭園にも寄らず、休憩後すぐに移動。
金沢シーサイドラインの最前車両に乗るとこんな景色が見られる。集中制御室からの自動操縦なので運転手が座る所に乗客が座ることができる。これは最後尾の車両も同じ。