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キッチン混合水栓金具のカランの基部から水漏れ

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 我が家の新築の頃から使い続けているキッチンの混合水栓金具のカラン(蛇口)の付け根の旋回部から水が漏れている。ただし、この水漏れは水栓を開いて水を出している時間は出るが、水栓を閉めて水圧が掛かっていない状態では、カランの中に溜まった水が漏れることはあっても延々と漏れ続けることはない。だから、帰宅したらキッチンの台の上が水浸しだったとかいうことはないのだが、金具の基部や周辺の台に水が溜まっていることが多く、水に溶け込んでいるミネラルなどが結晶化してこびり着いたり、苔やカビが生えやすくなる。こびり着いたミネラルは有り体に言えば石であり、ザラザラしているので旋回部の中で溜まっていればメッキをすり減らせ、腐食の原因になる。この写真は少々こびり着いたミネラルを耐水ペーパーなどで落としているが、残った汚れを見てもわかるように、すごく不衛生になる。
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 この水栓金具の型はTK233。製品の目立たないところに製品記号番号が貼られていることが多いが、掃除などでクレンザーなどを使うとラベルの文字は消えてしまう。家の場合もそうだったので、補修部品を探すのにどうしても必要な製品番号から調べる。見た目で調べることができる。リフォーム会社の作業員や自分で消耗品を交換したい人向けに便利なサイトがある。そこで製品の写真を見て以下のページに至った。
 水漏れの原因になっている部分の仕組みやパッキンの様子を見るために分解する。まずこの水栓金具に水圧がかからないように元栓を閉める。元栓はシンクの下の方にふつうはあるが、板で隠している場合もある。その場合、点検孔の蓋を止めているネジを外さねばならない。私は屋外の大元栓を閉めてしまう。他に水を使うことはできなくなるが、作業の手数は減る。
 ドライバーでレバーハンドルを固定しているネジを緩める。ネジを抜く必要はない。緩めるだけでプラスチックのハンドルは上に抜ける。シルバーのプラスチックのキャップがレバーハンドルの下にあるが、それは手で上に引けば抜ける。
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 今度は顎が大きく開くモンキーレンチでご覧の真鍮のナットを外す。水道金具用の工具セットがあればそれを使う。(この時までに水の元栓を閉めてないと水が噴き出す)
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 中からバルブカートリッジが顔を出す。このプラスチック主体のパーツの中がダメになっていると、蛇口からポタポタとしずくが垂れる水漏れを起こす。その場合は四六時中漏るので、このユニットを交換することになる。このユニットは上に引き上げれば取れる。
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 構造上、真鍮の碗の内面の腐食箇所に水道水が触れてから蛇口から出てくるわけではないが、気になる人は1000〜1500番くらいの耐水サンドペーパーなどで撫でて落としたら良いと思う。汚れ以外のところをあまり擦り減らすと遊びが大きくなってしまうので力を入れずに磨くこと。
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 カランの旋回部は上に引っ張って抜く。
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 カランを左にやったり右にやったり中央に出したりできるようにカランの基部は旋回できるとともに水も漏らないようにする必要があり、上下に止水パッキンがある。このパッキンの劣化や摺動による磨耗、ミネラルのこびりつきなどで水が上あるいは下のパッキンから漏るのだ。
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 上のパッキンを溝から外してみた。Oリングではなく、両面に溝が入っている複雑な設計だ。水道用の合成ゴムのパッキンにはありがちなことだが、表面が劣化分解し触ると墨汁のように溶け出てくる。要するにゴムが少しずつ解け出て痩せているということだろう。弾力性も衰えているはずだ。これの新品を上下セットで手に入れ、古いのを外して溝の周りを綺麗にしてパッキンとの密着をよくしてから、新品のパッキンを入れれば、水漏れ解消となるはずだ。
 最近はこの手の首振りカランではなくて、洗面台のカランのようにカランの先に延長可能なシャワーがついているものが多くなってきた。そういうカランにはそれ特有の水漏れが生ずるのだろう。こういう仕組みの水栓金具は同様のパッキンの傷みによる水漏れは必ず起こるので、各社の製品番号や分解図などを頼りに交換してみてはどうだろう。
 できたら一番下に嵌まっている白い樹脂のスペーサーも交換したい。これも摩擦でけっこう減っているようだ。
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 このTK233は1997年に製造が中止されている。消耗パーツの製品番号は当時とは違っているかもしれないが、互換性のあるパーツが売られているのが普通だ。ゴムのパッキンは混合水栓金具用のUパッキンと一般的に言われている。TOTOのものでTK233にも適合すると書かれているものを選べば良い。91950HPというパッキン一対を買えば良い。通販でメール便送料無料で400円弱(税込)で直せる。あとけっこう高いものだと思うが水道用のシリコングリースを摩擦するところに塗るべきなんだろう。ホームセンターで見かけたことがある。カメラなどのOリング用のオイルは匂いがあるし食品衛生法などの基準をパスしていないだろうから、口に入る可能性のあるキッチンの水栓金具には使わないほうがいいだろう。
 今夜は清掃して元に戻し、浄水器のフィルターも付け替えた。
 
 後日、注文しておいたUパッキンが届いた。インターネットではUパッキンというのとXパッキンというのの2種類があることがわかっていて、うちの水栓金具についているものはXパッキンだとは思っていたが、互換性があると思ったので注文してしまった。左がUパッキン、右がXパッキン。Xパッキンの方は両面に同様の溝がある。
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 これはUパッキンの裏と表。左のほうが水圧を受ける内側、右のほうは外側。水栓金具に取り付けるときに向きに注意する必要がある。
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 上の溝にはU字が下を向くように取り付ける。下の溝にはU字が上を向くように取り付ける。水栓を開いて水圧がかかるとパッキンのU字の中にも圧がかかり、しっかり密閉されるようになっているのだろう。逆に取り付けて試したくないが、逆にすると蛇口に付けた浄水器に水を通すときにこのパッキンから水が漏れそうだ。この向きで金具を組み立て直したが、水を出してみても漏れてこない。修理成功だ。
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 水栓金具自体を取り替えなくてはいけないような破損や故障というのはなかなか起こるものではない。寿命は相当長い代物だ。消耗品も結構長い間手に入れることができるのはありがたい。

 自転車の部品もかくあるべき。ブレーキブラケットカバーなど消耗品が手に入れられなくなると、故障してなくてもブレーキ/シフトレバーを交換しないといけなくなる。でなければ、ゴムのカバーを自分で作らないといけなくなる。そういうのは非常に大変だ。ヘッドフォンのイアパッドみたいにジェネリックで作ってくれないかな。

by hills_mountains | 2017-08-31 22:29 | 家電や住設のメンテナンス/修理 | Comments(0)

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