前回、二種類の生豆を持ち帰って手撰りだけ済ませておいたのを温水洗浄して、手早く焙煎のはずだったが、最初のブラジル・ショコラ・ピーベリーは、第二爆ぜの手前まで緩やか加温し、第二爆ぜに行きそうなところの手前で温度上昇を停めて焼きを進めて最後に強火で煽ってから窯から出した。焦げたのではないかと言うほど黒いが油が全く吹き出てこなかった。豆はカリカリと歯応えがある。焼き上げてからしばらく経つとやんわりと香りが出始めた。しかし深く焼いているのに油は浮かずマットな輝きを放っている。焼いている最中も油を見てない。油を焼き飛ばしたのではない。吉と出るか否か。(今のところ写真なし、移動が終わったら撮る。)
二種類目はエチオピア コケ。焼く前から香り高く、この香りを活かしつつ、こくを出したい。第一爆ぜまでは、水分飛ばしに全開ガス圧、チャフが舞い始めてから半分に絞った。炎の頂点が釜の中のドラムを時々舐めるくらい。焙煎ピーナツのような色になったらさらに絞り、加温を緩やかにするが、第一爆ぜが始まるまでは横這いにはしなかった。第一爆ぜは加温なし、とろ火~弱火で温度を横這いにし、ぽこぽこというかわいい音を聞く。爆ぜが止んだら弱火で緩やかに加温し、第二爆ぜの手前で豆の動く音の質と色と香りを観察しながら横這いで焦らす。最終的には香りが決め手となって窯の口を開けた。焦らしの最中に第二爆ぜを迎えた豆もあったかもしれないが、ほとんどを煙を出さずに冷却。これは今までやったことのないパターンだ。良い香りで上がった。よく焼いてある中深焼だがやはり油脂が滲み出ていない。焼上がりの歯応えもよく、挽き目が揃って微粉が出にくそうな固さだ。