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棄てられていた鉈鎌の再生

 11日の杉林中の沢掃除の際に他の会員が拾ったものが、この鉈鎌。元々柄は長かったが、沢の岸や底に埋もれたビニールや金属ごみを引っ張り出すのに使っていたらぼろっと折れた。その日の作業後は沢から拾ったゴミをバッグに詰めて帰らねばならなかったので、それを現場に置いて行かざるをえなかったが、18日に持ち帰った。
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 黄色のビニールテープを外すと腐れた普通の釘が見えた。しかも柄の厚みを突き抜けた釘の脚を折り曲げてあった。テープで巻いてある部分は湿っていて、当然刃物のコミの部分も錆びていた。
 腐蝕はかなり進行していて刃物の平地の部分をバールの先で叩くと錆の塊がボロボロと剥がれた。まるで松の樹皮のようだ。
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 錆除去剤を塗ってから紙で包んで一晩置いた。
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 翌日、荒砥石などで錆を削り落とそうと思ったが、刃線がまっすぐではない元々の刃の形と腐蝕による凹凸が大きすぎることによって、平らな砥石では扱いづらかった。そこでドリルに湿らせた砥石ビットを付けて、スロットルの赤い摘みを回して押し込み幅を短くして回転数を低く保つ。スロットルを引いて黒いボタンを押すとスロットルが固定され、低速のグラインダーのように回り続ける。これで錆による大きな窪みや刃先の欠け、屈曲部の研磨、金槌で叩かれて膨れた背など研磨した。出来るだけ刃を濡れ布巾の上に乗せて研磨することで、焼きなますことなく作業できた。
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 砥石で研磨した後は、セラミックの棒砥石やサンドペーパーで仕上げた。まだ平地の部分を磨きたいが、実用にはこの程度でも全く問題ない。綺麗に平滑にするということは刃の厚みを無くすということで、耐久性に問題が出てきそうだ。
 両刃の刃物だと思われるが、左利き用の片刃のように見えるほど左右の面で研ぎが不均衡だった。ある程度両刃らしく角度を整えようとしたが、これも使いながらさらに修正していくことにした。
 もともとシノギから刃先までの部分以外は黒く防錆処理がなされていたのだが、なくなってしまった。今のところ椿油を塗ってあるが、腐蝕痕が多く汚れが着きやすいので防錆処理をしておきたい。
 しかし、実用復帰にはまず第一に柄をすげ替えないといけない。どれくらいの長さにするか、形はどうするか。店頭で考えよう。
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by hills_mountains | 2018-03-19 18:46 | 山林作業ボランティア | Comments(0)

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