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彦根からラ・コリーナ近江八幡、のち上諏訪まで輪行

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 友人がよく出かけているラ・コリーナ近江八幡(たねや)は琵琶湖一周の際に通った道から丘一つ向こう側にあるらしく、昨夕落日の写真を撮影した長命寺付近からは2kmもなかったのだが、夜に訪れても藤森照信の建築は良くは見られないし、こうして翌日に見に行くことにしていた。開園は9時なので8時前に出れば現地では昼まで2~3時間楽しめるという計画だ。
彦根駅前から湖岸道路に出てしばらく走るが、途中で広々とした農地が見えて、海岸から離れて農道を走ることに。琵琶湖一周のルートも必ずしも湖岸が見えなくても良い。もっと味のある道がたくさんありそうだ。春の湖東は麦が青々としている。
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愛知川を広域農道で越えて近江八幡市に入ると西の湖という湿地・湖沼が広がる。安土城跡が湖畔にあるようだ。茅場もあり野焼きが済んでいた。バードウォッチングにも良さそうだ。
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西の湖から琵琶湖に繋がる水路。白王橋から。琵琶湖は釣り人が多い。水郷巡りの舟や貸しボートなどの着き場も多い。
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西の湖を過ぎたらラ・コリーナは割合にすぐだ。ラ・コリーナを全員が目指しているわけではないらしい。水路を船に乗って巡るのも人気があるらしい。老若男女さまざまな訪問者がいる。良い雰囲気だ。
ラ・コリーナは数年前にプロジェクトが始まったらしいが、建物の周りはまだ整備中だ。それに自然素材もふんだんに利用しているためメンテナンスも必要だ。また農園的な庭園になっているため、職人がたくさん働いている。
以下の写真には、最初に訪問者が入っていく建物が写っている。芝屋根。棟に松が植わっている。屋根に張り巡らせたチューブで潅水するようになっている。保温、遮熱、遮音などの効果がありそうだ。骨材は耐火性の高い鉄骨等を使っているはずだが、そういう建物に見えない。壁にはセメントに自然素材をたくさん混ぜ込んでいるように見える。岩盤から削り出したような壁だ。石切場を思い起こす。暖かな光の反射具合だ。板を貼ってあるところは無塗装あるいは焼き板を使っている。表面は製材時の鋸や手斧の跡が残っているが触っても棘が刺さるような肌目ではない。ガラスは手延べのものを随所に使っているが、展望が鍵になっている二階のカフェなどは歪みのないペアガラスを使っている。
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 内部一階にはバームクーヘンの工房と販売所、和菓子の販売所、生どら焼きの工房販売所、菓子型の展示スペースなどがあり、購買・飲食以前に見物するものが多くてついつい長居してしまう。一階と二階をつなぐ吹き抜けの壁面と天井には堅焼きの炭が埋め込んであり、何やら隕石群のようにも見える。見る角度によってぐっと密度が濃くなり迫力がある。二階ではバームクーヘン2種といろいろな茶から組み合わせて食べることができる。窓からは園内全体が見渡せるだけでなく周囲の里山も見渡せる。椅子は手斧で削り出したような跡を残して磨いてある。非常に座りやすい。生どら焼きの実演販売のブースは竃を固める時のような左官仕事でできているようだ。緩やかなカーブと微妙な歪みがある面が鈍く光っていて温かみを感じる。和菓子の木型は必見の工芸だ。
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 別棟のカステラ工房とカフェの館。栗材をふんだんに使っている。一つとして通直の材はなく、それでも真っ平らな屋根を支えているのが面白い。カステラ工房もガラス張りで中で型から出して棒形にカットしたりしているのを見られる。ちょっと手荒に扱ってもぼろっと崩れそうもないもっちりふわふわのカステラだ。銅張りの樽のような作業スペースは何をするためのものだかこの時は見ることができなかった。林立する栗材の柱の向こうにカステラとカステラ用卵のオムレツなどを出すカフェがある。
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 屋根の軒部分には基本的に横樋はない。出入口の部分だけ横樋を設けているが竪樋はない。芝屋根を伝ってきた水は地面に落ちる。落ちた先に笹などで縁取られた溝がありそこで水を受ける。雫の音が心地よい。
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 西側の回廊。雨と強い日差しから守ってくれるだけでなく、視覚的にも楽しい。線が延々と並んでいると目にぞわぞわっとくる、錯視を催す場合もあるが、ここは目に心地よい。工業的な直線がないからだろうか。
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 回廊の先に回廊ヶ丘の中に向かっているかのような構造物がある。子供が楽しめそうな空間がある。不思議の国のアリス的な異界への入り口か。
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 蟻塚のような構造物も子どもの領分だ。子供がはしゃいでるのがわかるだろうか。
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 一般客向けの建物ではないが非常に面白い建物がもう一つある。オフィスやイベントスペースに展望塔が付いた銅ぶきの木造長屋だ。屋根の庇を木が貫いている設計も今後木の成長とともにどうなっていくのか興味深い。健全に保たないと落枝などで屋根が壊れそうだ。
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 回廊の外側にはお土産の売店がある。ガレージ仕立て。ダブルデッカーもある。二階に上がれるようになっているのだが、2階に上がっていたのは私だけだった。子供とか喜びそうな感じの作りだが、訪問客は自分で登っちゃいけないものだと規則を仕立ててしまっているのかもしれない。倉庫の建物二階から外のデッキに出られるようになっていて、ここからは周辺の西部中の庭園やその向こうの里山の様子が見られる。階段でフードコートの方に降りられる。
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 茹で卵を米や豆をはじめとした穀類と赤こんにゃくを炊き込んだ飯で包んで揚げた食べ物が売られている。アヒルの卵より少し大きいぐらい。飯に味がついているのでソースなどはつけなくていい。手や服を汚す心配がなく食べやすい。オムライスも卵の下はコロッケの中の雑穀米が潜んでいる。白っぽいアンはカツオ出しの味香を閉じ込めている。塩味の和風の天津飯といったところか。カステラとお茶をセットにしてもうお腹いっぱい。画像には登場させなかったが最初にバームクーヘン生クリーム添えとアールグレーのセットを食べている。食べるためだけに来ているとこれは確実にカロリーオーバーなのだが、昨日は琵琶湖一周190km以上、今朝は30km近く向かい風を衝いて自転車で移動しているので、相殺できていると見ていいだろう。
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 土産販売所の倉庫から出られる木デッキ上からの眺め。竹林も手入れがほどほどになされているようだが、まだ訪問客を引き入れることができるほどには手入れされていないようだ。園路がもう見えるがまだ立ち入り禁止になっている。植えた樹木が活着していい姿になったら公開するのだろうか。
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 もともと建築や周囲の環境を見るためにここまで来たので、夜何時まで開いているのか全く気にしてなかったが、こういう園路灯が見られることから結構遅くまで空いているのかもしれない。横にしか光を向けないような作りが非常にいい歩く足元だけ明るければいいという考えだろう。夏は虫が集まってしまうからやたらと明るくないほうがいいだろう。
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 左列上から道路からの正面入口の門扉は曲げた竹で囲って有機的にしている。自転車駐輪場には竹の支柱に鉄棒を渡したラックがあり、スタンドがない自転車も駐輪可能。ラックはたくさんある。駐車場の照明の柱は焼き板で囲ってある。かなり焼きが深い。茸状の東屋、場内は禁煙のため、駐車場や駐輪場の方に喫煙小屋が用意されている。植え込みの中にあり煙草を吸っている姿は容易には見えない。鉄骨で組まれているが、H鋼の溝にモルタルが詰め込んである。
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 彦根の宿で6時半には朝食を食べ、8時前に出たのだが、ラ・コリーナに着いたのは9:30を過ぎていた。それから午後12:30過ぎまであちこち見物して、近江八幡を後にした。午後は近江八幡〜米原〜大垣〜金山〜中津川〜塩尻〜上諏訪と移動。最近丸光デパート跡にスーパーマーケット、ドラッグストア、100円均一ショップ、放送大学等を含む複合商業施設が建って、工事現場を囲う鉄板が外れた上諏訪駅霧ヶ峰口前から目視できる旅館に飛び込んで温泉で汗を流した後、いずみ屋という料理屋で晩酌。馬刺や山菜の天ぷらは定番だがこの春先だけ出回るアスパラガスの味噌チーズ焼きがたいへんに美味しかった。
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 夜が更けても気温がさほど低下しない。温泉に浸かって出て来ても暖房をつけたりコタツに入ったりすることを全く考えなかった。体がポカポカのまま熟睡できた。翌日は諏訪湖から高所にサイクリングに行くことを考えていたが、どの高原か峠かは考えていなかった。初めて走る道を探しながら就眠。



by hills_mountains | 2019-04-05 23:59 | 自転車旅/輪行/ポタリング | Comments(0)

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