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有賀峠越え二回(長野県道50号・442号)

 上諏訪で一泊後、自転車自走と輪行を組み合わせて自宅に向けて動くのが習いだが、桜はまだ全く咲いていなかったし、たまにはこれまで一度も走ったことにない道を走ってみようと思い、湖畔のセブンイレブンで朝食を軽く済ませている間に、地図で湖周囲の峠越えの道の中から伊那の方に下る県道50号を選んだ。湖畔を石舟渡まで行き、左折して諏訪大社上社方面に南下。豊田小学校西という信号で右折し山に向かう。
 この峠道は最初から10%以上ありそうな勾配で、最初の標識で14%という値を確認した。この日は非常に暖かく、登坂前に坂の入口の豊田有賀という信号のところでジャケットを脱ぎ、十分な通気を確保してから挑んだ。ノンストップでぐいぐいと進む。後ろからどんどんと車が追い抜いて行くので、6回あるヘアピンカーブのうちの左カーブはしっかりと一番勾配がきつい左端をたどらなければならない。豊田から有賀峠までのうちヘアピン部で20%を超えるところがある。凍結防止剤の自動散布機があるあたりが一番勾配がゆるく感じてその辺りで水を飲んだ覚えがある。豊田有賀からこの峠標識まで3.5km 標高差311m 平均斜度9%弱、かつてはもっと狭隘な道路で林道のようなものだったに違いないが、有賀峠には諏訪の森というスポーツ施設の集合したところがあり、それの建築に合わせて道路が広くなだらかな傾斜になったのだろうと思う。旧道の遺構が道路の谷の方や崖側に見えたりして、元々はかなり酷な道だったに違いない。おそらく冬は閉ざされるようなところだったかもしれない。
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 この峠から県道442号というのが分岐していて、しばらく尾根伝いに山林を走った後、川沿いにダム湖まで下りさらに川沿いに降って箕輪に至ることができる。県道50号では宿で入れた自焙煎のルワンダのコーヒーをゆっくり楽しめる場所がなさそうだったので、車の出入りが滅多にない県道422号に入ってみることにした。この県道のほとんどの区間でこのような1車線あるいは1.5車線くらいの道を走ることになる。もともと林道として開かれたのだろうなと思う。すぐ下の写真は有賀峠から入ってすぐのところで舗装も比較的新しいが、それも野球の練習場ができたからそこまで舗装し直したのだろう。その先はけっこう荒れたところが多い。だけれども車が少なくていい。
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 尾根を一つ越えてU字型に窪んだ地形の場所に出て、木材の集積場所になりそうな小広い場所があったので休むことにした。この日は非常に風が強かったが風が上空を抜けて行くだけで、地面には吹き付けず居心地が良かった。峠ではかなり水分が抜けたと思われるので、餡子玉とルワンダコーヒーでゆっくりと休んだ。この道路を通るのはほとんどが入会権を持った人たちばかりのようだ。軽トラックが多い。先に言っておくが自転車には出会わなかった。
 この輪行旅にはラップトップパソコンと電源アダプターやコーヒードリップのためのタンブラーと挽いたコーヒーとシリコンのドリッパーなど普通のサイクリングでは持たない物が詰まっていた。だからものすごく重い。コーヒーは米原と彦根と上諏訪の宿で計4回ほど入れているのでかなり減っていたが、その減った量を上回る重さが足されている。ここではラ・コリーナでもらってきた雑誌と通販カタログや伊勢神宮の剣払い3体も加わっている。
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 有賀峠から4kmのところに「憩の森 延命水200m 仏岩20m 北真志野生産森林組合」という看板が見え、水が汲めるならと降りてみた。緩い斜面が広がり、夏はバーベキューとかキャンプとかできるのかなという雰囲気の場所だった。水量豊富で清浄な水が引かれており、コーヒーを入れていたタンブラーとボトルに水を詰めて、体にも給水。そうして休んでいるとあちこちから軽トラックがやって来て、地元の人もここで水を飲んで会話していた。けっこう若い世代の人もいてシイタケのホダの話とかしていた。横浜の森林では3月初めには植菌が済んでいるが、それくらいの気温差があるということだ。彼らにも挨拶して一言二言言葉を交わしてみな出発した。
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松の林の中を進んで行く。杉の林だと涙と鼻水が止まらなくなっていた可能性がある。ところどころ遠方の中央アルプスの峰々を見晴らす場所もあり、明るくていい。
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 有賀峠から6km走るとこのように開けた棚田が見えてくる。この見下ろしている場所の背側に畜舎もあった。農作業をしている人の姿は全くなく、田圃を見ても耕運してあるところは少ない。この辺りだと田植えは五月上旬か中旬くらいかもしれない水が空の色を反射している時期、稲の緑が美しい時期、黄金色の稲穂が見られる時期などに来ると色鮮やかだろうと思う。
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 道標によると後山という集落だそうでどの家も薪がたくさん積まれていた。人気のない静かな場所だった。みんな山や里に仕事に行ってしまっているのかもしれない。
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 後山の集落を抜けてしまうと谷が狭くなってきて渓流と道路だけになってしまう。山側の斜面は崩落しやすいらしい。こういう場所が何箇所かある。金網の内側で砂礫が流れる音がパラパラカシャカシャと聞こえた。風で斜面から剥がれ落ちてくるのだと思う。
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 大きな落石が転がってくるような場所もある。すでに道に落ちているものにも落ちてくるものにも気をつけねばならない。石の動く音がたまに聞こえる。道路と流れの距離が近くて心地よい場所だが、走行中は路面をしっかりみよう。天気がいい時しか楽しめない道路だな。荒天の後などだと落石や路肩落ちや倒木などで通行止めということがありえる。ちょうど落ちてくるということも想定して周囲に気を配って走行しよう。
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 有賀峠から13km、諏訪市から箕輪町に入ると、もみじ湖がある。名前のとおりもみじの木がたくさん植えられている。まだ芽が小さく硬いので殺風景だが秋には壮観な眺めだろう。この辺りは風がものすごく強い。
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 ダムを後にして下る。見えているのは中央アルプスの経ケ岳あたりかと思う
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 途中、栗や梅の果樹園があったが周りの獣除けの柵にみかんネットに入った黒いものがたくさんぶら下がっていた。おそらく肉食獣の糞を動物園から分けてもらって来て吊るしているのだろうと思った。鹿に対してこれが効くのだということを聞いたことがある。本当のところはわからない。きれいに手入れされた園だった。
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 広々とした天竜川の河岸段丘上に降りてきたら、ハイキングのための大きな地図があり、その真瀬口という集落に3基の円墳が残っているというので行ってみた。想像通り河岸段丘の縁にあたるところに位置していたが、崖線に沿って針葉樹がが並んでおり、中央アルプスを見晴るかすことはできなかった。写真には納めていない。非常にはっきりとした形をしており、保存状態が良い。すぐ近くで見ることができた。
 県道19号に出たら箕輪から辰野方面に北上し、先ほど別れた県道50号の登り口「平出」まで移動。
 辰野側からの登りは距離が長いが斜度は緩い。平出から有賀峠までは約8km、標高差約320m、平均斜度は4.5%。日当たりがいいのでけっこう暑かった。本日二度目の有賀峠。
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 峠から諏訪湖方面への下りは非常に急傾斜でおっかないくらい。だけれども、その分見晴らしも良く、八ヶ岳が前方に現れたりして登りとはかなり印象が異なる。あっという間に降って山が隠れてしまったので、転回してこの位置まで登り返して撮影。
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 ヘアピン部でも八ヶ岳や諏訪湖を見ながら降りることができる。
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 下り切ったらすでに午後3時を回っていた。中州というところにピッツァ サンタローザがあって2時くらいなら寄れたのだが、昼の営業時間が終わっている時間なので、石舟渡のJA直売所さざなみ新鮮市に寄った。バックパックにはレインスーツ一式、輪行袋、ラップトップパソコン、コーヒードリップ一式、着替え、輪行袋、救急セットなどなどに加えて、ダム湖周辺で拾った松笠の類がぎっしり詰まっていたが、豆2種類、そば粉それぞれ300gとすぐ食べるための写真の紫蘇餅を購入。生菓子はもう値引きが始まっている時間だったが、シソの葉はまだ青々としていた。紫蘇には何の味付けも処理もされていない。餡など入っていない柔らかい餅を包んでいる。これが美味かった。この直売所は必ずと言ってもいいほど寄っているが、これは初めて見かけたので食べてみた。
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 諏訪から茅野まで旧街道で移動し、七里岩ラインで原村を経て小淵沢まで自走しようかと頭をよぎったが、夕方の標高1000m以上の場所の風速と気温を考慮して止めた。上諏訪駅にて輪行支度をし、八幡屋礒五郎の七味ガラムマサラ2缶と七味ガラムマサラ味の柿の種とビールを購入。ちょうど小淵沢行きが次の各駅停車だったが、待ち合わせ時間が長かったので刺激と潤いを楽しんだ。この柿の種は本当にうまい。
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 そういえば自分が有賀峠から諏訪に下るとき、ちょうど登って来た自転車野郎がいた。一番きついところだったからか路面しか見えていなかったのかもしれない。真横に来たところでチラッと目があった。
 442号はツーリングバイクが数台通過したが自転車とは合わなかった。人も車も少ないが路面が荒れているところが多く、高速で通り抜けるには快適ではない。リム打ちパンクもありえる。自動車は車高の低いものは腹を擦る可能性が高い場所がけっこうある。轍が深い上に道幅が狭いのでそれなりの自動車で来た方がいい。軽自動車以外の車はダムのあるもみじ湖周辺から箕輪の方でやっと見かけるようになった。空気が良くて静かなので自転車にはおすすめ。
 県道50号はヒルクライムの練習用にいいかもしれない。


by hills_mountains | 2019-04-06 23:59 | 自転車旅/輪行/ポタリング | Comments(0)

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